必要じゃなくてもとにかく何か買いたいという欲求が人間にはある。

「悩ましき買物」より

物は必要だから買う、というのがふつうだ。しかしそうではなくとにかく買いたいと思うときはある。ストレス解消のためだ、という人もいるかもしれない。とはいっても残念ながら金銭の許す範囲内でという限定がある。

大きなものはそうそう買えるものではない。家、車、大型家具や家電製品など。なかには一生ものになるかもしれないものもあるだろう。それらを買うときには覚悟が必要になる。スーパーやデパートの店内で目についたものを衝動買いしてしまうというのとはまったく異なる感覚だ。

なにかある漠然としたものを頭に描いていて、あるいは潜在意識にあるのかもしれないが、そんなものをいつか買ってみたいものと思ったりする。
赤瀬川氏にとっては買物願望の上位にはバッグや靴があるという。それらは人によって様々だろう。

ウォーキングシューズといっただけで、ビジネスシューズより歩きやすそうな感じがしてしまう。
靴は履いて歩くためにあるのに、あえてウォーキングといっているのも不思議な感じがする。しかし私はついついこの表示があるものに手が伸びてしまう。(個人的なことを書いてしまいました。)

赤瀬川氏は靴を買う場合、色、デザイン、材質それから格を見るという。前の3つまでは誰でも見るものだろうが、格もポイントにしているらしい。
氏がたまたま気に入ったほどほど格がある靴とは・・・形は定番的なものだけど、革と縫い目がしっかりとしていて、革だけど案外柔らかく大きめの皺の入っているところがいいという。

牛の肩の革でかっちりしているけれど柔らかく、爪先は足の形に合わせて底が広がってゆとりがあるものらしい。そこまでいくとやはり値段もいい。フランス製のその靴は私が普段はいている靴の約2.5倍のものだった。誰でもものを買う場合は安くていいものという限定がある。しかしそれは難しそうだな。