古さの中にこそ、学ぶべきことがある。

「月刊現代」2005年8月号より
“スポーツラジカル派宣言”のコーナーで二宮清純大鵬にインタビューしている。そのなかで、「最近の力士は稽古という言葉をあまり口にしませんね」という二宮の言葉に対して大鵬が答えたもの。
すぐに温故知新という言葉を連想しそうだが、ここではそういう意味ではない。大鵬は「稽古は勝つための練習という意味ではない。あの丸い土俵で泥まみれになることで、何事にも負けない精神が培われる」という。経験がいわせる言葉だろう。
つまり稽古は器具を使って筋力を鍛えるトレーニングとは全く異なるものなのだ。
相撲には「道」がつく柔道、剣道、合気道などの武道、さらには茶道、華道、香道などにも通じる精神が流れているのだろう。
さて、先ほどの大鵬の言葉にあった「丸い土俵で泥まみれになることで〜」には意味がある。似たようなことは一般的な仕事にもあてはまりそうだ。つまり、仕事への取り組み方次第で人も育つに違いない。何でも新しいものばかり学べば済むというものでもなさそうだ・・・な。