「鳥肌が立つ」ということ。

日常的に使われる言葉でも、以前からちょっと気になっている表現がある。それが、上記の表現だ。
10年以上前のこと、知り合いの元女子バレーボール選手に私の読んだスポーツノンフィクションを数冊貸してあげたことがある。
実際スポーツマンだった人は、同業のスポーツものを読んだらどんな感想をもつのだろうか、ということに興味があった。
「で、どうだった?」と聞いたとき、目を輝かせて返ってきた最初の言葉が「すごい、鳥肌が何度も立ちました!」というものだった。
その後、テレビ、ラジオなどでも感動したシーンでの感想にこの鳥肌が立つ、という表現を何度か耳にしたことがある。
こう表現するのは若い人が多いようだ。しかし、この表現は実際はおかしい。
辞書には次のように説明されている。
とりはだ 【鳥肌】
寒さや恐ろしさ、あるいは不快感などのために、皮膚の毛穴が縮まって、鳥の毛をむしったあとのようにぶつぶつが出る現象。総毛立つこと。体温調節反射の一つ。「―が立つ」。
どちらかといえば、恐ろしい場面で「身の毛もよだつ」に近いとも言えそうだ。私たちも間違った用法で言葉を使っていないかもう一度振り返ってみる必要がありそうだ。
いずれにしても、鳥肌がたつような場所や場面にはいたくないもの。