好きなことをやるには、苦しいことも覚悟する。

好きなことをやるには、苦しいことも覚悟する。
「PHP11月増刊号 特別保存版」より。
これは作家の伊集院静氏が書いているエッセイの中にあったフレーズだった。その気になれば、定年過ぎてもゼロからスタートできるという。
さらに、そこから本当に好きなことに出会えるかもしれないともいう。何とも期待が持てる言葉だ。しかし、それには苦労も伴うことを覚悟しなくてはならないようだ。
好きなことのなかに、苦しいこと、つらいことがなければ、それはただの遊びになってしまうからだった。
伊集院氏が、日々をより良く生きるには彼流の一つコツがあるという。それは、朝、目が覚めたときそれをするのは「今日なんだ!」と思うことだそうだ。面白い考えだ。

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会社に対しても、自分自身の部分売りをすればいい。
「PHP11月増刊号 特別保存版」より。
この号の特集は、「好きなことをして生きる!」だった。何とも魅力的なタイトルだったので買ってしまった。薄っぺらな小冊子だと思っていたが、いろいろな人の過去の価値ある文章が満載で380円にしてはお得感もある。
さて、上記フレーズは曽野綾子さんが養老孟司氏と対談している時に話した言葉だった。曽野さんは魂の二重生活をすすめている。会社にいるときは縛られても仕方がないが、一歩外へ出たら好きなことをやるべきだという。
会社に対してそんなに忠誠を誓う必要もないという。まあ、ほとんどの人がそう思っているだろうが。あまり真面目過ぎると損をすることもある。
養老氏もそれに同感だった。日本人は生真面目過ぎるようだ。まずは、好きなことを持っていることが大事だと思える。ついつい時間を忘れてしまうほどのことをいつでも持っていたいものだな。

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小さな楽しみを日々の中から見つけること。
「PHP11月増刊号 特別保存版」より。
曽野さんによれば、人生は幸せなんかじゃないと腹をくくることという。それを前提に自分の好きなことをやればいいようだ。また養老さんは、身体を動かすことで精神を集中させてみることがいいと指摘する。
ここにはお二人のすすめがあったので、記してみる。「幸せになるために必要なこと」
養老さんのすすめ。1.妙な常識にこだわらない。2.最低限の生活を経験してみるのもいい。3.すぐに結論を出さないで、考えを深めてみる。4.身体を動かす。
曽野さんのすすめ。1.幸せなど幻想に過ぎないと腹をくくる。2.魂の二重生活をしてみる。3.いい意味でのいい加減さが、良き人間関係を保つ。4.日々に小さな楽しみを見つける。

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きれいではなく、「美しく」生きる。
「PHP11月増刊号 特別保存版」より。
これは渡辺和子さん(ノートルダム清心学園理事長)が「すべてのことに意味がある」と題して語っている中にあったフレーズだった。ついついきれいと美しいを混同してしまうものだ。
まず、生きていくうえで面倒くさいことはたくさんあるが、それを嫌がらずにこなしていくことで、大人になっていくと語っている。家の中の整理整頓は面倒だが、それも習慣次第だという。また、丁寧にやることで、人の心は美しくなっていくともいう。深い言葉だ。
化粧や整形は見た目のきれいさであって、「美しさ」ではないという。なるほどと思える。新の美しさは、自分との闘いの中からのみ生まれてくるという。印象深い言葉でもある。
また、ここには「きれいさはお金で買うことができるが、美しさはお金では買えない」という意味の言葉があった。美しさは自分自身の努力で作り上げていくしかないのだった。

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身の丈に合った暮らしをする。
「PHP11月増刊号 特別保存版」より。
映画監督の山田洋次氏は「今ある暮らしに幸せを見つける」と題して語っていた。氏は「たそがれ清兵衛」をはじめ、地方で暮らす下級武士を描いていた。ほとんどの下級武士は歴史の中心にはいない。また生涯刀を抜くこともなく日々を送っていたという。
彼らは今ある生活の中に、自分なりの幸せを見つけ出そうとしていたのだ。それは現代人が忘れかけているから、そこに大切なものがあると感じて映画を作ったようだ。幸福の原点をしっかり見つめている姿を描きたかったと語っている。
むしろ身の丈に合わない生活には、きっと大きな落とし穴があるような気がすると山田監督はいう。なるほど常に新しいものを欲しがるだけでは、無理があるだろう。

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