流れに逆らって泳ぐには力と勇気が必要だ。

「ギフト〜E名言の世界〜」5月号より。
最近毎週このテレビ番組(NHK教育放送)を見るようになっている。テレビだけ見ているだけでは見逃してしまいそうな名言はテキストで読むようにしている。そのなかで味わいのあるフレーズ出くわしたりもする。今回のテーマは「勇気」だった。
上記フレーズのあとにはさらに、「浮かぶだけなら死んだ魚でもできる」と、かなりきつい表現が続いていた。これは、イギリスの作家、サミュエル・スマイルズ(1812-1904)が残した言葉だった。その「死んだ魚」は英語では、“any dead fish”となっていた。軽妙で皮肉な感じがよく表されている。
また、「流れに逆らって泳ぐ」とは、社会の規範にとらわれず己の道を行く人という意味だった。それを実行するには、確かに力と勇気がなければできないだろう。逆に流れに乗って進むだけなら、それほど苦労はしないだろう。
仕事や日常生活の中でも、時には理不尽だと思えるようなことに出くわすことがある。それをきっちりと指摘できる人は勇気がある人だろう。しかし実際は何となく、長い物には巻かれよ、というふうに考える人の方がむしろ多いかもしれないな・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
何かをしないことが、「勇気ある行動」になる場合がある。

「ギフト〜E名言の世界〜」5月号より。
これはこの番組の講師であるR.パルバースさんの経験からの言葉だった。英語表現では、“the courage to refuse”(拒絶する勇気)と呼ぶらしい。氏が10代のころ、そんな勇気を持つことができたと振り返っている。
周囲の圧力、仲間からのプレッシャーが一番強いのはやはりティーンエイジャーの頃らしい。大人がいない若者だけのパーティーではお酒を飲まなければならなかったり、ドラッグに手を出さなければならないという圧力があったという。
しかし仲間からは、ダサいと思われようが、パルバースさんはこれを拒否し続けたのだった。実際仲間と違う行動をとったり、みんながすることをしなかったのはけっこう勇気を必要とすることだ。
拒絶する勇気で思い出したのは、先月18日、連続フルイニング出場の記録を続けていた阪神金本知憲選手が自ら、チームのために、その世界記録を途切れさせたことだった。周囲は記録に気を使うので、それを止めるのは自分しかいなかったのだ。これもまたすごい勇気でもあった。
蛇足
4月26日、阪神は、1492試合連続フルイニング出場を記録した金本先週のユニフォームを米野球殿堂博物館へ寄贈すると発表した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

情熱と好奇心は切っても切れないもの。

「ギフト〜E名言の世界〜」5月号より。
アルバート・アインシュタインは、「私には特別な才能があるわけではありません。ただ好奇心が激しく強いだけなのです」と語っている。英語では、“Ihave no special talents. i am only passionately curious.”となっていた。
ここでpassionately(情熱的に)という言葉があることで、アインシュタインのあくなき好奇心がよく表現されているという。科学者にとって、過度な好奇心などというものは存在しないという。
何かを成し遂げようとする時にはそれは当然のことだという意味でしょう。だから筆者(講師のパルバースさん)は、情熱と好奇心は切っても切れないものと言ったのでしょうね。
また、古くて面白いことわざに、“Curiosity killed the cat.”があります。つまり、好奇心は猫を殺す、という意味で、過度な好奇心は持つべきでないと、人々を戒める言葉でした。
むしろ以前から知っていたことわざは、“Care kills a cat.”だった。心配はネコをも殺す(=心配は身の毒)という意味だった。また関係ないが、“A cat has nine llives.”(ネコに九つの命あり)、それだけネコはしぶといという意味らしい。この週のテーマは「創造」だったが、話がかなりそれてしまった・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「人生とは自分探しではない。自分を創造すること」
「ギフト〜E名言の世界〜」5月号より。
ジョージ・バーナード・ショー(1856-1950,アイルランド出身のイギリスの劇作家、評論家)の言葉だった。映画「マイ・フェア・レディ」の原作者でもあった。ノーベル文学賞アカデミー賞の両方を受賞したのは、世界でもただ一人。
彼はさまざまな分野で活躍して、自分の人生を一編の芸術作品に作り上げた人だという。かなり以前から流行っている、「自分探し」などというほとんど意味不明な言葉を耳にすることがあった。実に抽象的でよくわからない。
自分を探すとはいったいどういうことなのだろうか。自分の適性を知ることだろうか。ほどんどのことに、向いていない自分を知ったところで何になるのだろうか。
英語では、“Life isn't about finding yourself. Life is about creating yourself.”と、リズム感のある表現が使われている。ここで使われているcreatingから、創造していくことが大事なんだということがわかる。講師のパルバースさんは、自分を作り直す作業にとりかかったほうがいいかもと提案している。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「誰もが見たことを見て誰も考えなかったことを考える。」

「ギフト〜E名言の世界〜」5月号より。

つまり、「それが発見だ」と続いていた。しかし別に発見などと大げさなことを考えなくても、上記フレーズは自分の記憶に残したいと思った次第。
大切なことは、ものごとはただ漫然と眺めているだけでは気付かないもので、何かを見た時にどう考えるかの方が大事なことだということを言いたかったのだろう。
このフレーズを残したのは、ハンガリー出身の化学者、アルベルト・セント=ジョルジ(1893-1986)だった。彼は1937年にノーベル生理学医学賞を受賞していた。
目は開けていても、意外と大事なものを見逃していることが多い。つまり何に注目して見たらいいのかがわからないからだろう。物事のポイントをつかむことは大事なことだ。
当たり前だと思えることからも、角度を変えてみれば、新しい発見があるかもしれない。それが、何らかの創造につながればいいのだがなぁ〜〜。上記フレーズを肝に銘じたい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・