招き猫を実感してみる・・・

3月の半ば過ぎのことだった。朝庭に出てみると、椿の木の近くでピーピーという鳴き声が聞こえてきた。鳥が巣を作ったのだろうかと木の上を見たが何もなかった。そして、ふと木の後ろの方をみると驚いたことにはそこには、数匹の子猫が重なって鳴いていたのだった。
まだ産まれて1週間もたっていないかもしれなかった。そこは笹の枯れ葉が重なっている場所で好都合だったのだろう。いつも庭にきているノラ猫が生んでしまったのだ。家で飼うわけにもいかないので、猫好きの知人数人に欲しいかどうか訊いてみたらその日のうちに引き取りに来てくれるとのことだった。
まずは、箱に入れておこうと、家に入って適当な箱を見つけてくると、またまた驚いたことには、親猫が子猫たちの上にいるではないか。乳を飲ませていたのだろう。近づくと口を大きく開けて威嚇してくる。子どもたちを守ろうとしているのだった。
しばらく様子をみてから、その場所を覗くともう親猫はどこかへ行っていた。そこで、軍手をはめて子猫を一匹ずつそっと箱に入れたが、意外に軽くおとなしかった。合計で4匹だった。しばらくすると先ほど以上に鳴き声が聞こえてきた。結局その日の夕方までにすべて知人たちに引き取ってもらえほっとした。
しかし、その日の夜になると庭で親猫らしいニャオ〜ニャオ〜という鳴き声がしてきたのだ。しかも早朝にも同じ鳴き声が数日間続いた、きっといなくなってしまった子猫たちを探しに来たのだろう。親猫には断りもなしに、どこかへ連れていってしまって悪いと思ったが家では飼えないので仕方がなかった。
5日間も連続で朝と夜に鳴き声が聞こえてくるので、やはり猫に謝ったほうがいいのかと思った次第。鳴き声がした夜にとりあえず、猫には家では育てられないから、面倒を見てもらえる人に引き取ってもらった、と言葉は通じないだろうが謝っておいた。
すると不思議なことに、翌日から鳴き声が聞こえなくなったのだ。そればかりか、私にはいくつかのラッキーなことが続けて起こったのだ。それまで苦労した割には全くうまくいかなかった仕事でのプレゼンが大成功して実にスムーズに運ぶようになったり、懸賞で当選したり、宝くじで高額賞金が当たったり、と。実に招き猫を実感した・・・なんていうことになればいいのに、と希望がうそになってしまいました。