感性情報デザイン。

「ビジネス脳を磨く」小阪裕司著より。
この本を読んで初めてみた言葉だった。この言葉は感性社会におけるビジネスでの最重要なキーワードらしい。つまりお客さんの感性に向けて発信する情報を変えることで(つまりこのことをデザインと表現しているのだろう)、お客さんの心の中に価値が生まれてくるということだった。
するとお客さんの消費行動が変わってきて、結果として売り上げが増えてくるということになる。仕事上で感性情報をいかうまくデザインできるかがポイントのようだ。
といっても言葉では抽象的にになってわかりにくいので、ここにあった実例を上げてみよう。店頭のPOPのツールに書かれた情報によってかなり変化があることがわかる。防水スプレーの例だった。雨の季節には売れるだろうが、通常の月には売れるものではない。
はじめに「防水スプレー980円」とだけ書かれたPOPのままだった時は1か月で0本だった。それが、「水滴がほかの類似商品よりきれいに丸くなるイラストを添えた場合、8本が売れたのだ。
次に忘年会のシーズンにPOPを「忘年会でビールをこぼさない自信がありますか?」としたら100本売れたという。
また、年が明けたら今度は「あっこぼしちゃった。「せっかくの新年会を台無しにしたくないあなたに」と書いたら同じように売れ続けたという。
これは一例だが、その場その場で的確に状況判断をしながらお客さんにアピールすれば、それなりに大きいい効果が表れるということだろう。それが意外にできそうでできないことかも。

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あの店がウケているのは、感性情報デザインの妙なのだ。
「ビジネス脳を磨く」小阪裕司著より。
結論を先に言ってしまうと、あの店とは「ヴィレッジ・ヴァンガード」のことだった。今日現在全国で265店舗がある。この店の名前を聞いたのはもの何年も前のことだったが、行ってみたのは最近になってからだった。
コンセプトは遊べる本屋とはなっているが、本よりも雑貨の方が多い。昔ながらのお菓子が並んでいたり、いきなり駄菓子屋に入ったようにも思える。時計やゲームやDVDや食品までも置かれている。
また本にしてもかなりマニアックな芸術関連のものがあったりする。新宿の店には渋澤龍彦の著書が数十冊も並んでいたので、この作家に強く関心がある職場の同僚にケータイで撮った写真を見せてあげた。すると、まだ読んだことのない本があるといって喜ばれたのだ。
この店では他の書店では目立たないような本もまとめてあり、それが売れるようだ。こんなことろが感性情報デザインの妙というのだろう。この店は慣れないとどこに何が置いてあるのかもわかりにくい。しかし、実はそこから発見することや意外なものとの出会いが楽しいのだろう。
地元にもこの店はあるが、当然品揃えはかなり異なっている。だからこそ楽しいのかもしれない。たとえこの店がウケているからといって、似たような店を作っても同じように売れるとは限らないだろう。結局はしっかりした店独自のポリシーがないとお客さんもついてこないのだろし・・・