いい茶坊主 悪い茶坊主。

「いい茶坊主悪い茶坊主」立石優著より。
これは著書のタイトルそのままがちょっと気になったから取り上げてみた次第。茶坊主には常に悪いイメージがつきまとっている。しかし、本来はそうでもなかったのだ。
実際にウェブの辞書で調べてみると次のように説明されている。
(1)室町・江戸幕府の職名。武家の城中・邸内で、茶の湯や給仕などをつとめたもの。剃髪(ていはつ)し、法体であったので坊主という。(2)権力者におもねるものをののしっていう語。
この本によると身分は低くても、茶坊主はれっきとした武士であったこともわかる。悪いタイプを連想するのは、次のようなことを指しているからだろう。「おべっか、ゴマすりが上手。何ごとにも要領がいい。告げ口をする。人の弱みにつけこむ。虎の威を借りて威張る。人の顔色ばかり窺う。」
しかし、本来のいいタイプは次のようなものだった。「社交性に富む。協調性が豊かである。調整力がある。情報収集力に優れている。礼儀作法をわきまえている。知性と教養がある。周囲に気配りを怠らない。」
今日のイメージでは嫌われ者だが、実際は大名たちからすれば、ずいぶんと頼りにされた存在でもあったのだ。江戸城内のコンサルタント的役割も果たしていたようだ。
なお、この本のサブタイトルには“強い組織とは何か”というフレーズもついていた。筆者はいい意味での茶坊主のススメをしていたのだ。



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なにかと話しかけてくる運転手。

この運転手とは、タクシーの運転手のことだ。月に何度かタクシーを利用する。仕事以外だが。運転手のタイプもさまざまだ。行き先を告げると、その返事の仕方でずいぶんと雰囲気の違いがあるもの。
感じがいい人のほうが多いが、たまにほとんど返事もしない運転手もいる。一番いいのは、明るい声で必要なことだけ答えてくれればいいのだ。まあ、無口なほうがありがたいことが多い。
しかし、中には話好きな運転手にあたることもある。しかも、自分の趣味や得意な話に持っているこうとする人もいる。いつだっったか、べつにこちらが聞いてもいないのに、株の話をし出した運転手もいた。どこの銘柄でいくら儲けたとか、自分の娘にも株を教えているなど。こちらはただ相槌だけを打っていたが。
また、自分の趣味らしい音楽やラジオをかけている運転手もいる。やはり客商売とかサービスという面も考慮してもらいたいもの。まあ、タクシーなら多少話しかけられても我慢ができる。
その点、バスの運転手が近くの乗客に話しかけるというケースはお目にかかっていない。ところが、先日逆に乗客がバスの運転手に話しかけていたのだ。ちょっとした質問だけならいいが、そうでもないらしかった。
おいおいそれはないだろう、って気にもなったもの。(ついでながら、タクシー利用時にちょっと悔しいのは、止まる寸前に料金メーターが上がってしまうことだ・・・)

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どんなに酔っぱらっても陸上を忘れない。

アーバンライフ・メトロ」2007.2月号より。
もうこれだけで誰のことかお分かりでしょう。有森裕子高橋尚子などオリンピック女子マラソンメダリストを育てた陸上界の名伯楽といわれる小出義雄監督のことだ。
ふつうは仕事を忘れるために酒を飲んだりするものだが、酒好きの氏は酔っても仕事である陸上を忘れないようだ。しかも寝ても考えているという。好きなことを仕事にしている強ささえ感じられる。
高校の教師を辞めて実業団の監督になったのは、“お金より金メダルが欲しかった”からだと述べている。もちろん当時、周囲の先生方は本気にしなかったようだが。
常に寝ても醒めても陸上のことを考えているほどでなければ、世界一の仕事はできないのだ。ほかの楽しみに心を向けたら勝てるわけがないと考えている。
今はもう、3回くらい先のオリンピックまで頭の中に入っているというから、ちょっと驚き。金メダルへの夢を具体的なものとして追い求めているようだ。
(それにしても毎回のように陸上代表選手の選考には、陸連のゴタゴタが付きものなのがちょっと気になるところだが・・・今後は誰もが納得する選考にして欲しいもの)