「英語でタンカをきれる人」

「ビジネスマンのための個性育成術」黒木靖夫著より。
このキャッチフレーズは実際に使われたものだった。ソニーが1950年代の終わりごろに作ったものだ。約半世紀前にしては、これ自体かなり個性的な人材募集広告に思える。
英語をうまく話せる日本人はいるかもしれないが、交渉ごとやセールスでは流暢な英語をしゃべるだけでは通用しない。タンカを切れたり相手を説得したり、ケンカまでできなければならない。(そのうえユーモアがあればなおグーであろうが)
ソニーは外国貿易を商社に頼まず、独力で海外の販路を開拓してきたのは、そんな強い意志をもち個性的な人材がいたためだろう。未知の海外セールスにはか弱い個性では通用しない。
で、一般の社員には、60年代の終わりに次のような募集広告を出していた。「出るクイを求む!」このキャッチフレーズでそれまで有能だが他社で自分の能力を発揮できなかった人材が集まったという。(現在ではありふれたフレーズかもしれないが)
個性的な製品を作るためには、個性的な社員が必要だったのだ。そして、この筆者の黒木氏自身もその新聞広告の求人に応募して入社していた。同期で中途入社した5人のうち亡くなった1人を除いた4人のうち3人が役員になっていた。
よく言われるのは、「出るクイは打たれる・・・でも出すぎたクイは打たれない」というやつだろう・・・な。(たいていは中途半端に出ているだけかも・・・)