彼は少なくとも私にとって、ミッキーマウス以上にディズニーランドそ

「ワクワクするビジネスに不況は、ない」小阪裕司著より。
まず、先に答えを言ってしまおう。この“彼”とは場内の清掃係のことだった。筆者が以前平日の空いていると思った日にディズニーランドに行ったときのことだった。意外にもその日は混雑していて驚いたという。
そこで、目の前でゴミ箱を片付けている清掃係に「今日はずいぶんと人出が多いね。空いていると思って来たのだけれどあてがはずれてしまったよ」と声をかけたのだ。そんな時、「そうですね」とでも答えれば合格点だと思っていたという。
ところが、その清掃係の反応は筆者の想像を超えていたという。彼は「そうですね。今日は実は香港からの旅行客が多いのです。この時期のこの曜日は朝香港からの便が成田に着きますから、平日ですが実は非常に混む日なのです。・・・・」と答えたとう。
これだけ答えてくれたらもう十分に合格点だ。しかし、まだ続きがあったのだ。「でも、お客様、今日はラッキーです。本当はご存知のようにこの曜日は通常、夜のパレードはないのですが、今日は香港からの旅行者がとりわけ多いので特別にパレードがあるのですよ」と続けたのだった。
あてのはずれた混み具合でアンラッキーな気分だった筆者はこのさわやかな彼の対応と情報で一気に晴れたという。こんな対応をしたのが場内のサービス係ではなく清掃係だったというから驚きだ。筆者にとってはこれが今までディズニーランドで受けたサービスの中で最高だったと述べている。
(香港にディズニーランドが誕生した現状ではこれは当てはまらないかもしれないが、サービス精神は変わらないだろう。)
こんなサービスがさりげなくできるところが素晴らしい。そこまでは誰でもやるだろう、ってことでは感動はありえない。120%のサービスがあって初めて感動は生まれるのかもしれない。