最先端のハイテクを支えているのは、ローテクの技術なんだ。

「俺が、つくる!」岡野雅行著より
これを正確に言えば次のようになる。“最先端のハイテクを支えているのは、昔からある金属プレス加工というローテクの技術なんだ。”
岡野さんの会社は従業員6名という町工場だ。しかし、名だたる大企業が頭を下げて注文に来るほど。やはり世界一といわれる技術をもったところは強いと感じさせる。たとえば数年前には「刺しても痛くない注射針」の開発に成功している。
この注射針の穴の直径は0.06ミリで外径は0.2ミリだという。これにはだれでもびっくりしてしまう。蚊に刺されているときは気がつかないもの。それほど滑らかで細い注射針なのだ。
誰もが不可能といわれたことに成功しているのだから強いはずだ。精密機械やケータイの細かい部品まで他ではできないものをつくってきている。岡野氏の仕事の特徴は「誰にもできない仕事ができる」ということにある、と自身も語っている。
最先端といわれる商品も、もともとはこのような職人がいなければ不可能なのかもしれない。だから、意外にも昔ながらの技術によるローテクこそが大事だということがわかる。
どんなことでもオンリーワンの技術を身につければ強いものだなと感じさせる。それには失敗を繰り返している中ならノウハウを身につけることだ、というようなことも岡野氏はいっている。それを実践してきた人のことばには頷かせられる。
自分だけにできることって何かないだろうか。