「風貌」とは「顔」という物質から離れた「顔」のこと。

「花のある人花になる人」草柳大蔵著より
稽古や仕事に一途に生きている人の顔には年令がないという。また、眼が光っているという。
一般に外見の顔や髪やまつげなどを気にしているだけの人は「顔」という物質しかないらしい。
稽古や仕事の熟練のようなものが「顔」をつくっていくのだ。それは「風貌」といえる。大事なのは顔ではなく風貌だったのだ。
著者は「顔」が「風貌」になった人は、他人の「風貌」にも気がつくようになる、という。「あの人、いい顔してたな」というようなことが分かるようになれば、その人の顔も風貌になっているということだ。
いいかげんに生きている私なんかには一生かかってもそうなれる確信はないな。